ばね指は、指の腱が炎症を起こし、滑らかに動かなくなる状態です。この結果、指を曲げたときに引っかかりやすくなり、伸ばすときに「バネ」のような跳ね返る感覚が生じるため、「ばね指」と呼ばれています。弾発指、ばね指症とも呼ばれており、指をよく使用する人に見られます。
ばね指の主な原因は、腱と腱鞘の摩擦や炎症に関連していますが、その背後にはさまざまな要因が複雑に絡み合っています。それでは詳しく見ていきましょう。
指を動かすためには、筋肉から伸びる屈筋腱がスムーズに滑らなければなりません。この腱は「腱鞘」と呼ばれるトンネルを通過して指の関節を動かします。この関係性が重要で、腱鞘は腱の滑りを円滑にする役割を果たしています。
しかし、繰り返しの動作や過度の力を使うことで、次第に腱と腱鞘の摩擦が増え、腱が厚くなったり腱鞘が炎症を起こすことがあります。特に、腱が腱鞘の中を通る「A1プーリー」という部分が影響を受けやすく、ここで腱の動きが引っかかることがばね指の直接的な原因です。
ばね指は、繰り返しの動作や指や手に強い力をかける作業を続けることが大きな要因です。
工具を握りしめる作業や楽器の演奏など、強い握力が必要な仕事や趣味が腱鞘に負担をかけます。また手先を頻繁に使うようなタイピングや手芸、手書きなども影響します。他にも、手を使って物を運ぶ作業や繰り返しの持ち上げ動作も腱鞘に負担をかける要因の一つです。
またテニスのサーブやゴルフのスイングなど、特定の動作を繰り返すスポーツ活動も腱に過剰な負担をかけ、炎症を引き起こすことがあります。特に、反復的な手首や指の動きが強い場合にリスクが高まります。
これらの動作を繰り返すことで、腱に過度なストレスがかかり、腱鞘での摩擦が増して炎症が進行します。
指を強打したり、引っかけたりすることで、腱や腱鞘が損傷することがあります。このような急性外傷は、腱が腱鞘に正常にスライドできなくなる原因になります。さらに、繰り返しの小さな外的要因が、徐々に腱や靭帯に蓄積的なダメージを与えることもあります。例えば、家具を移動する際に何度も指をぶつけるなど、日常生活での無意識の動作が影響することがあります。
ばね指は、年齢を重ねることで、腱や靭帯の弾力性が低下します。特に40~60歳の中高年層では、腱のトラブルが増える傾向があります。これにより、腱鞘が硬くなり、指がスムーズに動かなくなります。その結果、少しの負荷でも腱鞘が炎症を起こしやすくなります。
また、女性に発症するケースが多いことが知られております。これは女性ホルモンの影響や、更年期に関連したホルモンバランスの変化が関与している可能性があります。ホルモンの変動は、腱や腱鞘の柔軟性に影響を与え、炎症を引き起こしやすくします。このため、特に女性においてばね指が発症しやすくなることがあります。
いくつかの病気や体質も、ばね指のリスクを高めます。これらの状態では、腱鞘や腱が炎症を起こしやすく、ばね指の原因となり得ます。
まず、ばね指のリスクを高める病気は糖尿病です。糖尿病患者は、腱や腱鞘の結合組織が硬くなることが多く、ばね指を発症しやすいです。特に血流や神経の問題を抱えることが多く、これが腱のトラブルを引き起こす原因となります。また、糖尿病性神経障害により手や指の感覚が鈍くなることもあります。
さらに、自己免疫疾患である関節リウマチでは、関節周辺の腱鞘に慢性的な炎症が起こりやすく、腱の滑りが悪くなりばね指を引き起こすことがあります。
他にも、痛風による尿酸の結晶が関節にたまることで、炎症が引き起こされることがあります。これにより腱鞘の腫れや炎症が発生し、ばね指の原因となる場合があります。
病気とは別に肥満による、体重の影響もばね指を発症する要因の一つです。特に肥満は手や指への負担を増加させ、腱に過度なストレスをかけることがあります。体重が増えることで、指を動かす際の圧力が増し、腱鞘炎を引き起こすリスクが高まります。
ばね指は、家族内で発生することがあるため、遺伝的要因も考慮されています。例えば、腱や腱鞘がもともと弱い体質や、腱鞘の形状が狭い人は、ばね指を発症しやすい可能性があります。特に、親や兄弟にばね指を患っている人が多い場合、リスクが高まることがあります。
繰り返される摩擦や炎症が進行すると、腱や腱鞘自体が厚くなることがあります。これを「腱鞘の肥厚」といいます。腱鞘が厚くなることで、腱が通る空間が狭くなり、さらに腱の動きが制限されるため、ばね指の症状が悪化します。
ばね指の症状は、主に指の動きにくさや痛み、特有の「バネ」のような現象によって特徴づけられます。症状は徐々に進行することが多く、軽度から重度まで幅広く見られます。それでは詳しく見ていきましょう。
ばね指の初期症状では、指を曲げたり伸ばしたりする際に、引っかかるような感覚があります。これは、腱が腱鞘内でスムーズに滑らないために起こります。
特に朝起きたときや、長時間指を使わなかった後に指を動かすと、強い引っかかり感を感じることが多いです。また指を動かしている最中、急にスムーズに動かなくなることがあります。
病状が進むと、指を曲げた状態から伸ばそうとすると、途中で引っかかり、突然カクンと跳ね返るように伸びる現象が起こります。この動作が、まるで「バネ」が戻るような感じに例えられるため、「ばね指」と呼ばれます。この症状は、指を強く曲げたときに特に顕著に現れ、指を元に戻す際に痛みを伴うことがあります。
ばね指が進行すると、次第に痛みを伴うようになります。指の付け根、特に手のひら側に痛みが集中します。これは、腱鞘が炎症を起こして腫れている部分です。また指を曲げたり伸ばしたりするときに、腱が腱鞘内でスムーズに動かないため、痛みが発生します。
さらに、指の付け根部分を押すと、強い痛みを感じることがあります。この圧痛は腱や腱鞘が炎症を起こしているサインです。
ばね指の重症化に伴い、指が完全に動かなくなることがあります。これは、腱が腱鞘内で完全に引っかかり、動かなくなる状態で、指が曲げたままもしくは伸ばしたまま固定されてしまいます。この状態を「ロック現象」と呼びます。
このようにロックされた指を元に戻すために、他の手を使って無理に伸ばしたり曲げたりしなければならないことがあります。この状態は非常に痛みを伴う場合が多く、日常の動作が大きく制限されます。
ばね指の症状として、指のこわばりを感じることがあります。特に朝起きたときや、指を長時間使わなかった後に感じることが多く見られます。これは、腱や腱鞘の炎症が進むと、指が硬く動きにくくなるためです。
またばね指が進行すると、指の付け根部分(手のひら側)が腫れることがあります。この腫れは、腱鞘の炎症によって引き起こされ、押すと痛みを感じることがあります。腫れがあると、さらに腱が動きにくくなり、ばね指の症状が悪化することがあります。
ばね指は、複数の指に同時に発症することもあります。特に、親指や中指、薬指に多く見られますが、人差し指や小指にも発症する可能性があります。まれに、両手の指に同時に症状が現れることもあります。
ばね指の症状が進行すると、指の動きに制限がかかり、次第に日常生活に支障をきたすようになります。具体的には手の握力が低下し、物をしっかりとつかむことが困難になります。
また指がスムーズに動かないため、パソコンのキーボード入力や手書きが不自由になります。さらに、痛みで作業が制限されることがあります。例えば、料理や掃除、楽器演奏など、手を頻繁に使う作業が痛みのために行いづらくなることがあります。
ばね指の症状は、次第に進行する場合もあれば、突然悪化することもあります。早期に対処すれば症状の悪化を防ぐことができますが、放置すると日常生活に大きな影響を及ぼすことがあります。次のような流れで進行することが多いです。
1.軽度の引っかかり感や違和感。
2.指の動きにくさや「バネ」のような跳ね返りが起こる。
3.痛みや指のロックが生じ、動かしづらくなる。
4.日常動作が困難になるほど、症状が重くなる。
ばね指は手を使う機会が多ければ多いほど発症する確率が高くなります。近頃はスマホやゲームのしすぎで経験する人も増えてきています。当院では症状の程度に関わらず改善に向けて丁寧に対処させていただきます。ばね指のお悩みは糟屋新宮中央駅前鍼灸接骨院へお任せください。
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