近年多くなっている病にストレートネックがあります。現在日本人の80%ほどが予備軍とも言われており、病院を受診していない人も含めるとかなりの数の人が何らかの痛みを抱えていることになります。
ストレートネックとは、本来ゆるやかな前弯(前方向へのカーブ)があるべき首の骨(頸椎)が、まっすぐになってしまった状態を指します。正常な首の骨は、頭の重さを支え、衝撃を吸収するために自然なカーブを描いていますが、ストレートネックになるとそのカーブが失われ、首の骨が直線状に近くなります。
ストレートネックの原因は、主に現代の生活習慣や姿勢に関連しています。それでは詳しく見ていきましょう。
スマートフォンやパソコンの画面を見るとき、特に首を前に傾けた状態が続くことが多く、この姿勢が「テキストネック」と呼ばれる状態を引き起こします。
通常、頭の重さは約4~5kg程度ですが、首を前に傾ける角度が15度になると約12kg、さらに45度で約22kgの負荷が首にかかるとされています。これにより、首の自然な前弯が崩れ、ストレートネックを引き起こすことがあります。
姿勢が悪いことは、首のカーブに直接的な影響を与えます。
猫背のように背中が丸くなり、肩が前に出ることで、首が前に突き出た姿勢になります。この状態では、首の筋肉に余分な負荷がかかり、ストレートネックが進行しやすくなります。
また、日常的に机に向かって前かがみになる姿勢が続くと、首の自然なカーブが失われやすくなります。
オフィスでの仕事や自宅での勉強環境が適切でない場合も、首に大きな影響を与えます。例えば、パソコンのモニターの高さが低すぎたり、椅子の高さが合っていなかったりすると、無意識のうちに前かがみや首を前に突き出す姿勢を取り続けることになります。
特に、デスクが低すぎると、自然に背中が丸まり、頭が前方に移動します。この状態が続くと、ストレートネックのリスクが高まります。
首や肩周りの筋肉は、頭を支える役割を果たしています。しかし、運動不足になるとこれらの筋肉が弱くなり、首のカーブを維持する力が低下します。特に背中や肩の筋力が弱くなると、体全体の姿勢が崩れ、ストレートネックの原因となることがあります。
寝ている間の姿勢もストレートネックに影響します。枕が高すぎたり低すぎたり、あるいは硬すぎると、首の自然なカーブが維持できなくなります。特に長時間の睡眠中に不自然な姿勢が続くことで、首に負担がかかり、ストレートネックが進行することがあります。
例えば枕が高すぎる場合、首を強く前方に押し出すような姿勢を取ることになり、首のカーブを崩す原因となります。
精神的なストレスや緊張も、首の筋肉に影響を与えます。
ストレスによって首や肩の筋肉が緊張し続けると筋肉が硬直し、正しい姿勢を維持することが難しくなります。これが長期間続くと、ストレートネックを引き起こす可能性があります。
加齢による影響も、ストレートネックの一因です。年齢とともに、頸椎の柔軟性が低下し、椎間板(骨と骨の間にあるクッションの役割を果たす軟骨)が薄くなり、首の骨が本来のカーブを維持できなくなることがあります。これにより、首のカーブが失われ、まっすぐになりやすくなります。
過去に首や背中に外傷を負ったことがある場合、首の骨や筋肉が正常に機能しなくなり、ストレートネックになる可能性があります。例えば、交通事故などでむち打ち症(頸椎捻挫)を経験した場合、首のカーブが崩れることがあります。
ストレートネックの症状は、首の骨(頸椎)の正常な前弯が失われたことによって首や肩に負担がかかり、さまざまな不快感や痛みを引き起こします。これらの症状は、初期段階では軽度な不調に感じられることが多いですが、放置すると日常生活に支障をきたすことがあります。それでは詳しく見ていきましょう。
ストレートネックの最も一般的な症状は、首の痛みやこりです。首のカーブが失われると、首の筋肉や関節にかかる負担が増え、疲労や緊張がたまりやすくなります。
特に首の後ろ側や首筋の周囲に痛みが生じることが多いです。例えば首を動かす際や長時間同じ姿勢を続けた後に、痛みやこりが強まる傾向があります。
また、首の筋肉が常に引っ張られている状態になるため、筋肉が硬くなり、こりが慢性化します。
首の異常な姿勢が肩の筋肉にも影響を与え、肩こりがひどくなることがあります。ストレートネックになると、肩が前に押し出され、肩や背中の筋肉に過度な負担がかかります。
特に肩甲骨周辺や肩の上部に重だるい感じやこりが生じやすくなります。さらに肩の筋肉が硬直することで、肩を回したり腕を上げたりする動作がしにくくなることもあります。
ストレートネックは、緊張性頭痛や後頭部の痛みを引き起こすことがあります。
首や肩の筋肉が緊張することで、頭の後ろから前方にかけて締め付けられるような頭痛が感じられることがあります。特に後頭部から首の付け根にかけての痛みが目立ちます。
ストレートネックが進行すると、頸椎が周囲の神経や血管に影響を与え、めまいが引き起こされることがあります。首の血行不良や神経の圧迫によって、脳への血流が悪くなると、平衡感覚が乱れやすくなります。
例えばまるで周囲が回っているように感じる「回転性のめまい」を経験することがあります。また立ち上がった際にふらついたり、頭がぼーっとする感じがすることもあります。
首の神経が圧迫されると、腕や手にしびれや感覚の異常が生じることがあります。頸椎の不調が腕や手の神経に影響を与え、しびれや痛みが発生することがよく見られます。
特に、肩から腕にかけてのしびれや痛みが起こりやすく、手の指先にもしびれが及ぶことがあります。さらに手や指に力が入りにくかったり、感覚が鈍くなったりすることもあります。
首や肩に慢性的な負担がかかることで、全身に疲労感が広がり、日常生活や仕事に影響を及ぼすことがあります。長時間パソコンやスマートフォンを使用すると首の不快感が増し、それに伴って集中力が落ち、作業効率が低下することがあります。
ストレートネックが進行すると、首が前に突き出る姿勢が定着してしまい、全体的な姿勢の悪化につながります。頭が前方に出た姿勢では、肩や背中の筋肉にも負担をかけ、全体的に猫背のような姿勢になりやすくなります。
また、頭の位置がずれることで見た目のバランスが悪くなり、体全体のプロポーションにも影響が出ることがあります。
ストレートネックによる首や肩のこりは、目にも影響を及ぼすことがあります。特に、長時間のパソコン作業やスマートフォンの使用で首の筋肉が緊張すると、目の周りの筋肉も緊張し、目の疲れを引き起こします。さらに目のピントが合いにくくなることがあり、一時的に視力が低下したように感じることもあります。
首や肩の痛みやこり、しびれなどが就寝中に強く感じられると、寝付きが悪くなったり、途中で目が覚めたりして睡眠の質が低下します。これがさらに疲労感を悪化させ、悪循環に陥ることがあります。
特に首や肩の痛みが原因で寝返りを打つ際に痛みを感じることがあります。また、痛みや不快感のために浅い眠りになりやすく、疲れが十分に取れないことがあります。
猫背もまた前かがみの姿勢になることから首に負担を生じますし、妊娠中の女性は骨盤が前屈することから首にも影響がでます。スマートフォンだけでなくピアノ演奏も原因とされており、姿勢の悪さや同じ姿勢を長時間保つことが原因と考えられています。
当院では患者様お一人お一人に合わせた施術を行っています。少しでも違和感を感じたらお気軽にご相談ください。
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